Google Neural matching (ニューラルマッチング) が変える検索結果

Google ニューラルマッチング

「これからの20年にむけて ~ より良い検索を目指して ~」というGoogle Japan blog 2018年9月27日のタイトル記事の中で、Googleは、Neural matching(ニューラルマッチング)というAIベースのシステムを使用していると述べている。
「単語の理解」から「概念の理解」へ。それがニューラルマッチングという手法なのだと。

ニューラルマッチングとは

ニューラルネットワーク分野で開発されたneural embeddingという手法が、曖昧な言葉を、根本的な概念へと変換することで、検索クエリの概念と文書の概念を対応づけることができるらしい。
これをGoogleはニューラルマッチングと呼称している。

GoogleのDanny Sullivanの2018年9月25日のツイート。

人の検索方法は、多くの場合、人々が解決方法を書いている情報とは異なる

ツイートの一部を翻訳

RankBrainによる検索意図の理解

これまでGoogleは、検索クエリの意図を正しく理解するために、AIベースのRankBrainというシステムをコアアルゴリズムに組み込んできた。
これにより、例えば「小泉進次郎の父」と検索した時に、元内閣総理大臣の「小泉純一郎」のことを指しているのだと学習により判断できる。
検索クエリの中に必ずしもそのキーワードが入っていなくても、その意図を正しく理解して提示しようとするシステムがRankBrainだ。

RankBrainについては下記記事を参照してほしい。
[clink url="https://www.tmseek.jp/rankbrain"]

「テレビが壊れた」と「テレビ買い替え」ではその検索意図は違ってくる。それを正しく理解し、適切な結果を提示することにGoogleは努めて来たし、我々マーケターは、ユーザーの検索意図を汲み取ってページを作成しようとしてきた。
この取り組みは今後も変わらない。
ではRankBrainとニューラルマッチングの違いは一体どこにあるのだろうか。

ニューラルマッチングとRankBrainの違い

ニューラルマッチングとRankBrainの違いは一体どこにあるのだろうか。
GoogleはTwitterの中で、「要約すると」と前置きを入れながら、RankBrainは、概念にページを関連付ける為に役立ち、ニューラルマッチングは、検索に単語を関連付けるのに役立つのだと説明している。
ニューラルマッチングは、Googleが2018年で、言葉がどのように概念に関連しているかを理解する為に使用し始めたAIベースのシステム。

曖昧な言葉を概念として捉える

「テレビが壊れた」と言われれば、それはそのままテレビが壊れたのだろう。
その場合、テレビを修理するのかテレビを買い替えるのかという話になる。
この検索結果では、テレビが壊れる原因や、修理のページがランキングで上位を占める。
「テレビの買い替え」では、買い替えのタイミングや、おすすめのテレビのページが検索結果の多くを占める。

検索意図を理解してそれにマッチしたページをランキングで提示しようとしていることがわかる。

では、「テレビが変なんだけどなぜ?」というクエリだとどうだろう。
これにGoogleはソープオペラ効果というテレビの設定による現象を例にあげている。

そしてGoogle SearchLiaisonの2019年3月21日のツイート。

例えば、ニューラルマッチングは、「私のテレビが奇妙に見える理由」の検索が「ソープオペラ効果」の概念に関連していることを理解するのに役立ちます。その後、正確な単語が使用されていなくても、soap opera の効果に関するページを返すことができます。

日本語で「私のテレビが奇妙に見える理由」を検索すると、テレビ番組の「世にも奇妙な物語」が出てきたりと、まだ検索意図からずれているような結果が返ってくる。
このあたりの検索意図と結果のズレを埋めようという試みがニューラルマッチングという手法のようだ。

ニューラルマッチングは検索結果の30%に影響

グーグルのダニー・サリバン氏はTwitterで、「ニューラルマッチングを使用してきた結果、クエリの30%に影響を与えている」と伝えている。
ニューラルマッチングについて、一言でわかりやすくまとめられたページがある。
そのページのニューラルマッチングについての一節がこうだ。

すでにグーグルは、「ページにどのような単語が使われているか」ではなく、「ページに記載されている情報が検索ユーザーの意図に対応しているか」を判断して検索結果の上位の表示するページを決められるようになってきているからだ。

音声検索による検索クエリ

これまで検索といえば、調べたい単語を検索窓に打ち込んで行ってきた。
現在はスマホによる音声検索が増えてきている。
単語による検索から言葉での検索へのシフトだ。
人の言葉はときに曖昧だ。
「テレビの画面が映らない」や「テレビの音が出ない」などの場合は、ユーザーが何を言っているのか理解しやすい。
ところが、「ちょっとテレビが変なんだけど」と言われるとその意味を察するに少しばかり時間がかかる。
人間同士ならあるいは一瞬の間があいても理解できるかもしれない。

「ちょっと、テレビがおかしいんだけど」と言われて、テレビが笑わせてくれていると理解する人間は少ないだろう。
夫婦であれば、奥さんから「テレビが変」と言われたら「ちょっと見てみるよ」などの意図を理解した返答が旦那さんから返って来るかもしれない。

この、意思疎通ある人間同士の理解の域を、GoogleはニューラルマッチングというAIシステムで行おうとしているということなのだ。

最後に・・・

ニューラルマッチングはGoogleが2018年から導入をスタートしたAIシステムでスーパー同義語とも言っている。
キーワードと同時に同義語を並べ立てるようなページを作成するよりも、ユーザーの検索クエリに含まれる問題の解決方法を提示することの方がはるかに重要だ。
言葉を理解することから概念を理解しようとするのがニューラルマッチングで、Googleが検索結果を生成するためのひとつの手段となっていく。

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